コラム

description2008年、リーマンショック直後に起業して

株式会社シスデイズ代表取締役社長の宮野です。

弊社が設立されたのは2008年10月27日。世界経済が大きく揺らぎ、リーマンショックの影響があらゆる産業に広がり始めた直後のことです。半年以上をかけて起業準備をしていた私は、当時まだ28歳。景気の急変を目の当たりにしながらも、いまさら後戻りはできず、「この荒波をどうにか進んでいくしかない」という覚悟を持っての船出となりました。

創業期は何をするにも手探りで、予定通りに進むことのほうがむしろ少なかったように思います。少人数で事業を回すため一人で複数の役割を担い、限られた時間の中で優先順位をつけることに追われる日々でした。その中で学んだのは、「完璧を目指すより、まず形にして進めてみる」ことの大切さです。進めながら修正を重ねる方が、机上の計画を練り続けるよりもずっと前に進めると気づきました。

振り返れば、手探りで進めていた小さな選択の積み重ねが、会社の方向性を形づくって行きました。当時は「とりあえず必要だから」と始めた仕組みが、その後の標準になり、思いがけず組織の基盤を支えることもありました。自社フレームワークなど、今では弊社の主力となっているプロダクトも、創業して間もない時期に思い立って制作を開始したものです。

すぐに成果が見えない作業であっても、続けることで後から意味を持つことがある。その実感は、時間をかけて初めて得られるものだったと思います。「大きな飛躍を目指すより地道に継続」というのは派手さのない考え方ですが、実際に身をもって学んできたことです。続けること自体が力になり、結果として次の機会を呼び込む。事業を続けてきた中で得た一番の感覚かもしれません。

これからも世の中の変化は加速し、将来の予測がますます難しくなっていくでしょう。しかし、逆風の中から船出した経験があるからこそ、「不安定な状況こそ新しい挑戦のきっかけになり得る」という感覚は今も変わりません。環境の変化を恐れるのではなく受け入れ、その中で最適解を探していく姿勢を持ち続けたいと思います。

筆者: 宮野 清隆 高度情報処理技術者資格であるテクニカルエンジニア、アプリケーションエンジニア、プロジェクトマネージャ等を27歳までに取得したITのスペシャリスト。 2008年に株式会社シスデイズを設立し、代表取締役就任。2020年、高IQ団体JAPAN MENSAの議長/会長に就任。 現在はシスデイズと並行し、IT以外の企業でも顧問として活動している。
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