
独自開発の強み:自社製フレームワークの価値
多くのウェブ制作会社では、WordPressをはじめとするオープンソースCMSを利用しています。確かにコストを抑えられ、一定のスピードで構築できるという利点があります。しかし、弊社はあえてそうした汎用的な仕組みを使わず、独自に開発したフレームワークによってシステムを構築しています。
なぜそのような選択をしているのか。理由は大きく三つあります。
第一に、セキュリティ。
オープンソースは広く使われている分、脆弱性が見つかると攻撃の対象になりやすい側面があります。もちろん定期的にアップデートを行えば防げる部分もありますが、利用者の多い仕組みは狙われやすいという宿命を抱えています。弊社の独自フレームワークは外部に公開されていないため、攻撃対象になりにくく、また社内でコードを把握している分、問題が起きた場合の対応も迅速です。
第二に、柔軟性。
WordPressのようなCMSは「ブログや企業サイト」を前提に作られているため、複雑な業務システムや独自要件に合わせようとするとかえって不便になることがあります。弊社のフレームワークは、最初から「顧客ごとの業務フローに合わせる」ことを前提に設計しており、既存の仕組みに縛られず、ゼロから必要な形を作り込むことができます。
第三に、長期的な保守性。
オープンソースに依存していると、そのソフトウェアの開発が止まってしまった場合や、バージョンアップで仕様が大きく変わった場合に、利用者側が振り回されてしまうリスクがあります。独自フレームワークは、弊社の開発チームが責任を持って進化させるため、お客様のシステムが“外部事情”に影響されにくいのです。
もちろん、オープンソースを使う方が合理的な場合もあります。小規模なサイトや短期間での立ち上げが求められるケースでは、既存のCMSを活用することは賢明な判断でしょう。ただ、弊社が主に手掛けているのは「業務に直結する基幹系のウェブシステム」であり、そこで求められるのは“安定性”と“顧客に合わせた最適化”です。そのために、私たちはあえて独自フレームワークという選択をしています。
経営者の立場から見れば、この姿勢は単なる技術論ではなく「会社の方向性をどう定めるか」という戦略でもあります。汎用的なツールに依存するのではなく、必要とされる価値を自ら作り出す。その姿勢こそが、IT業界で長く信頼を得るための基盤になると考えています。